脳を鍛える最もシンプルな方法~説明力編~

ビジネス

「説明力がない」

自分でそう感じることはありますか?
頭の良し悪しを「地頭が良い」なんて言ったりしますが、地頭が良いと感じる人は、説明する力が非常に長けています。

地頭
一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう。

地頭を鍛える最もシンプルな方法は、「抽象→具体化する」という作業を日常的にすることです。

その方法について、具体的に紹介していきます。

具体と抽象

私たちは、物事を抽象的に伝える言語能力をもっています。
その能力は、大人になるにつれてだんだん身についていきます。

ひとつ、タカシ君と母親の会話を例に挙げてみます。

母親:「タカシ、どこ行くの?」
タカシ:「よしひろんちでマンションボールしてくる!」
母親:「マンションボール?」

マンションボールは、マンション内でボール当てをするという、私が子どもの頃にやっていた近所迷惑な遊びです。

では、この会話を抽象的に表現してみます。

母親:「タカシ、どこ行くの?」
タカシ:「友達の家に遊び行ってくる!」
母親:「そう、行ってらっしゃい」

2つの会話の違いは、伝えている内容ではなく、伝え方にあります。

  • よしひろ→友達
  • マンションボール→遊び

私たちは、大人になるにつれてグルーピングする力が身についていきます。

例えば、八王子は東京の一部。東京は日本の一部です。

八王子、東京、日本という単語を別物と捉えるのではなく、それぞれがそれぞれに含まれているという理解は、単語が抽象的だからこそ成り立ちます。それによって、私たちはTPOで伝え方を変えることができます。

福岡に旅行に行った時には「東京からきました」
海外に旅行に行った時には「I’m from Japan」
と答えることができるのは、抽象的に伝える力があるからです。

これは非常に素晴らしい能力ですが、ひとつ問題があります。
それは、言葉以上の具体的内容は、相手の判断に委ねているということです。

「東京からきました」と関東圏外でいうと、「都会からきたんだなぁ」と感じます。

しかし、東京の中にも田舎の土地はあります。
例えば、「檜原(ひのはら)村」という場所は、東京唯一の村です。人口は2300人ほど、9割が緑に囲まれており、多くの人が想像する「東京」とはかけ離れた場所です。これは極端な例ですが、言葉の抽象性は、相手に判断を委ねる範囲が広くなるため、認識のズレも起きやすくなります。

 

説明力を身につける

「抽象的な言葉は相手に委ねる範囲が広い」

これは、見方を変えると「説明することをサボっている」とも言えます。
「そこまで具体的に言わなくてもわかるだろう」という考えが根本にはあります。

また、JK言葉と言われる流行りの言葉は、言葉の抽象性を高めた言葉が多いです。

  • 「やばい」
  • 「エモい」

パンケーキを食べて「やばい!」という表現は、美味しいのか不味いのかすら分かりません。

このような柔軟性のある言葉を生み出せるのは、素晴らしいことですが、使い勝手の良い言葉ばかり使っていると、物事を具体的に、わかりやすく説明する力はどんどん弱っていきます。

友達とのラフな場では「やばいって、具体的に何がどうやばいの?」なんて言うとウザがられると思うので、楽しみながら具体化ができる方法を見つけ、実践してみましょう。

日常を具体化する

日常を具体化するクセをつけることで、説明力を身につけましょう。

以下に、具体化するときに意識するポイントを紹介します。

5W1Hを明確にする

具体的に物事を伝えるには、5W1Hを明確にし、どうだったか(Do)を伝えましょう。

例として「パンケーキが美味しかったことを伝える」ために、5W1Hを使います。

  • when:「いつ」→「先週の土曜日13時ごろ」
  • Who:「誰と」→「大学時代、フットサークルで一緒だった2個下の後輩まっちゃん」
  • Where:「どこで」→「Paul Bassett 渋谷ヒカリエ ShinQs店
  • What:「何を」→「数量限定のリコッタチーズのパンケーキ」
  • Why:「なぜ」→「今までパンケーキを食べたことがなかったので一回行ってみたいと思っていたところに、たまたまツイッターで高校時代の後輩のパンケーキツイートを見て」
  • How:「どのように」→「パン生地がフワフワで舌触りが良く、バニラ風味のメープルシロップとバナナがマッチして」
  • Do:「どうだった」→「美味しかった」

「いつ」「誰と」「どこで」「何を」までは、状況把握です。

対して、何に対して問うか(why)は自由です。

  • なぜこのパンケーキが有名なのか
  • なぜこのパンケーキ屋に行こうと思ったのか
  • なぜ友人と行ったのか
  • なぜこのパンケーキ屋は美味しいのか

色んなパターンで「なぜ」を投げかけてみるのも、具体化には効果的です。
時系列で見ると、whyは「過去の深堀り」なので、説明に深みが出ます。

前提として、「説明力をつける」ための練習だということを忘れないようにしましょう。

普段の会話であまりに具体的に喋りすぎると話が長くなり、めんどくさいです。

日常のシチュエーション

具体的に、どのようなシチュエーションを具体化すれば良いのか。慣れていない人は、以下から始めてみると良いかと思います。

電車

「どこ発どこ行きの何線に、何駅から何時何分何車両目に乗り、何時何分何駅に着くのか」
電車に乗る機会が多い人は、上記を毎日唱えてみてください。

食レポ

テレビで食レポを見てると「よくこんなスラスラ言葉が出てくるなぁ」と感心します。
食事は毎日することなので、このシチュエーションを使わない手はないです。ぜひ、感情を言語化する習慣をつけてみてください。

具体化は、説明力をつけるための第一歩目だと思います。説明力がある人は、具体化したものを構造的に認識し、不要な情報を削って伝えることができます。

「好きな映画を20秒で伝えてください」と言われても「好きな映画について1時間話してもらえますか」と言われても対応できるのが、本当に説明力がある人でしょう。

ぜひ他の記事も見てみて、参考にしてみてください。