なぜ人は集中できないのか?~集中力に関するメカニズム~

効率化

「勉強しようと思っていたのに、またダラダラしてしまった。。」
「参考書を開いたものの、気づいたらスマホを触って2時間。。」

こんな経験ありませんか?
集中の度合いは緊張状態とリラックス状態、言い換えると「交感神経」と「副交感神経」の状態によって決定されます。

どのような身体の状態が、集中しているという状態なのか。
集中状態に身体を持っていくためには、どうすれば良いのか。

身体の構造を知り、集中する仕組みを作ることで、日々のパフォーマンスを向上させましょう。

パフォーマンスが高いときの状態

まず、皆さんが「高いパフォーマンスを発揮できているとき」「集中できているとき」はどんなときが思い浮かぶでしょうか?

「部活で大事な大会を控えた練習中」
「一生懸命勉強をした科目のテスト前」
「仕事のプレゼンを控えた資料作成中」

多くの人にとって集中できているこれらのシチュエーションには共通するものがあります。

それが「緊張状態」にあるということです。

緊張状態とは、交感神経が活発になっている状態です。集中している状態と聞いて「優雅にコーヒーを飲みながらリラックスしている絵」を思い浮かべる人もいるかと思いますが、集中リラックスはこの理論から言うと真逆の状態になります。

ただし、ここでは「緊張」「ストレス」を明確に区別する必要があります。確かに「ストレス」の日本語訳には「緊張」という意味も含まれていますが、集中力を阻害するストレスもあることは皆さんも体験済みでしょう。

例をあげると、嫌なニオイがする場所。耳障りな話し声が聞こえるとき。目の前で目障りな行動をされるなどです。

皆さんが集中したいと感じるときは、何か達成したい目的があるときだと思います。
その目的を達成しようとすることでかかるストレスか、全く別の問題によってかかるストレスか。

全く別の問題によってかかるストレスの場合、逆に集中力の妨げになってしまいます。まずは、そういったストレスがかからない環境を整えることから始めましょう。

 

目的の明確化

私たちが集中を必要とするときは、達成したい目的があるからです。そして、その期日が迫っていればいるほど、集中力が増すケースは多いです。仕事をしていて、就業時間が近づくほど作業が捗るのも同じ原理です。

なぜ期限が近づくと集中力が増すかと言うと、ストレス値が高くなるから、つまり交感神経が活発に働くからです。

では、交感神経の働き、ストレス値の高低はどのようにして起きるのでしょうか。

 

ここでひとつシチュエーションを提示します。

あなたが勤める会社で、プレゼン資料の作成を任されたとします。
上司に「明日の午前中にプレゼンがあるから、今日の18時までにプレゼン資料を作って欲しい」と言われました。18時までにはあと3時間。集中して取り組めばなんとか間に合う時間です。ただ、実は上司がプレゼン日を間違えており、実際のプレゼン日は1週間後だったとします。

その事実をあなたが認識していないとして、あなたは集中して取り組むことはできるでしょうか?

この質問をすると、多くの人が「3時間で仕上げないといけないと思っているのなら、集中して取り組めるだろう」と考えます。
何が言いたいかと言うと、緊張状態は「期日が迫っている」という事実ではなく、あなたの認識によって生まれるということです。

テストが迫っているからといって、全ての人が勉強に集中して取り組めているかというと、そうではないでしょう。だからこそ、集中して物事に取り組むためにはまずは目的を明確にし、集中する必要性を理解することが重要なのです。

 

身体機能を理解する

また、先ほどのシチュエーションでも挙げたように、状態は人の認識によって変化します。いつまでに、どれくらいまで進める必要があるのか。その重要度はどれくらいなのか。

認識によって集中力が変化するということは、私たちの集中力は脳からの情報伝達がカギになるということです。では、集中時には脳からどのような指令が送られているのでしょうか?

緊張状態、つまり交感神経が活発に働いているときは、脳からβ波が発生します。Β波が発生することで思考が活発になり、物事に能動的に取り組むことができるのです。

人の身体構造は、基本的には狩猟時代から変わっていません。かつての時代でβ波が必要だったシチュエーションは、獲物を狩るとき、外敵から襲われるときでしょう。
相手をどうすれば仕留められるのか、どうやって生き延びるのかを瞬間的に判断する必要があったため、β波を発生させることで一時的に高い集中状態を作り出していたと考えられています。

外部刺激→β波→交感神経が活発化→集中状態

しかし、日々の生活の中で、ストレス状態を意識的に作り出すことはなかなか難しいです。
どうすれば集中状態を作り出すことができるのか。外部の状態を整え、集中状態を作り出す方法をお伝えします。

 

聴覚刺激

まずは、聴覚と集中による関係性です。

よく「リラックスできる音楽」「テンションが上がる音楽」など、YouTubeでまとめられていたりします。選ぶ方法は以下を参考にしてみてください。

心拍数よりテンポが速い
あまり聞き馴染みがなく、単調なリズムの方が良い(音楽に集中しないため)
テンションが上がる曲調のもの
聴覚刺激は、集中状態を作り出す簡単で効果的な方法です。

すぐにでも取りかかれるので、自分で集中できる曲をいくつか持っておくと良いでしょう。

 

視覚情報

視覚情報は、人が受け取る情報の80%以上をしめると言われています。そのくらい、人は視覚に依存しているのです。だからこそ、集中したい場所を視覚的に集中できる状態にすることは必須です。

とくに、注意を妨げる「スマホ」「漫画」「テレビ」等は、視界に入らないような状態を作りましょう。

また、色によって心理状態を整える方法もあります。暖色系の色には興奮作用があり、交感神経を活発にするのに効果的です。

闘牛士が赤色の布を使用するのには、観客を盛り上げるために適した色なのです。

嗅覚情報

嗅覚情報は、五感の中で唯一感情を司る辺縁系と直接結びついています。

そのため、人の本能に直接刺激を与えられるのは香りの特徴です。だからこそ、好き嫌いが人によって分かれやすい感覚でもあります。「アロマテラピー」など嗅覚に関する様々な情報はありますが、色々な香りを試してみることをオススメします。

それだけ、嗅覚に関する研究はまだ謎が多い分野でもあります。

 

腸内環境

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、私たちの心理状態にも深く関わっています。

その理由は、脳を適切に働かせるためには、脳が働くために必要な栄養素を届ける必要があるからです。
脳のエネルギー源はブドウ糖です。しかし、ブドウ糖だけを摂取しても、脳にブドウ糖が適切に渡ることはありません。栄養素が適切に運ばれるためには、栄養素をバランスよく摂取する必要があります。栄養素をエネルギーに変換すること、これを糖代謝と言いますが、大事なのは腸内環境が集中にも影響するということです。

狩猟時代の話に戻ると、人が集中を必要とするときは生き延びるためでした。そのため、集中を持続させるには、ある程度空腹状態である方が良いでしょう。満腹状態はリラックスする副交感神経が活発になり、眠気の要因となるからです。

 

交感神経と副交感神経の切り替え

「交感神経が活発なときが集中モードに入っているとき」と記載してきましたが、交感神経は長続きしません。緊張状態をずっと続けることが身体に害であることは、なんとなく想像がつくかと思います。だからこそ重要なのは、交感神経と副交感神経をうまく切り替え、緊張状態とリラックス状態を何度も往復することです。

「ずっと集中することなどできない」という前提のもと、いかにしてリラックス状態も作り出すか。

どちらもできる人こそ、長期的に高いパフォーマンスを出し続けることができるのだと思います。

 

最後に

人が集中するためには環境を整える大切さをお伝えしました。ただ、人には恒常性維持機能(ホメオスタシス)という身体機能が備わっており、自分に甘くなりがちです。

どうしても自分に甘くなってしまう人は、人の目を利用することをオススメします。「自分の甘さ」を受け入れた上で、そんな自分でもやらざるを得ない仕組みを見つける、もしくは作る

ライザップのようにマンツーマンでついてくれるものや、講座形式で進むスクール、向上心のある人が集まるオンラインサロンなど、仕組みは探せばいくらでもあります。

まずは、仕組みを利用して、身体が覚えるまで習慣を作ることが、最も効果的な方法でしょう。

自分にあった環境を、ぜひ探してみてください。